極小島の3セコ ~三重県 鳥羽市 神島~
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写真の説明
1. 地域の概況と基礎情報
1-1. 神島の立地 詳細
伊勢湾口にあり外洋に面している。航海の難所であるが好漁場が広がる。面積は非常に小さいながら漁や交通の要衝に位置していると言える。
1-2. 集落の立地 詳細
北・西・南の谷部が居住可能スペース。古くは西、現在は北に集落が立地する。
1-3. 神島の成り立ち 詳細
基本的には典型的な漁村集落。一時期、海運業が盛り上がりを見せた。
1-4. 名前の由来 詳細
諸説あり定かではないが、伊勢湾周辺から重要視されていたことが推察される。
2. 景観・空間構造の特徴
2-1. 典型的な漁村集落の空間構造 詳細
海から山への宗教軸を中心とした構造は漁村に良くみられる。空間の使われ方が密なこと、集落が3つに分かれていることが特徴的である。
2-2. 道路によって区分された3部落(セコ)を持つ集落内部構造 詳細
それぞれのセコは固有の施設を持ちつつも水などは共同利用していた。セコは北側の3つの尾根を中心としてそれぞれ広がっている。
2-3. 狭い敷地と潮風に対応した住宅構造 詳細
敷地が狭いため住宅は縦に伸びる傾向を持ち、地下室・屋根裏・バルコニーなどが設置される。また庇や雨戸がほぼ全ての開口部に付けられており、屋根は瓦葺きである。
3. 景観と生活の関わり
3-1. 景観の成立要因 詳細
外洋に面した航海の難所で極小面積の島という厳しい自然条件と水産物の宝庫であるとともに操船技術に長けていたため周辺地域からの要請を受けるという社会条件。
3-2. 景観の変化と現状 詳細
ここ数十年ほどで建物・船・電気・水道などインフラの進歩により、島内の資源循環および共同生活が失われた。それに伴って密集した集落・3セコの共同生活・環境に適応させた住宅など神島特有の景観も薄れてきた。
3-3. これからの課題 詳細
特徴的な集落景観は未だ残っている。これを保全していくためには神島内で一定程度の収入を得られる仕事が必要であろう。
そのために海産物の量ではなく質を重視することが大切であろう。
またその仕事を継続させていくために適切な人口規模や漁獲量に関しても知る必要があるだろう。