山間に広がる美しい棚田~中伊豆ワサビ田~
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写真の説明
1.ワサビ田景観の特徴
1-1. 棚田にハンノキが点在する景観 詳細
中伊豆では畳石式と呼ばれる築田方式による、ワサビ田が河川沿い山間部の谷間に棚田のように分布している。
また、ハンノキと呼ばれる日除けのための樹木が田の中に点在して植えられており、田を形成する石垣や水路と共に特徴的な景観を創出している。
1-2. 他地方のワサビ田との違い 詳細
ワサビ田の築田様式には畳石式、渓流式、地沢式、平地式の4種類があり、伊豆地方のワサビ田のほとんどが畳石式である。
勾配が比較的緩やかであり管理作業の効率は高く、人工的な築田は畳石式が最も良い方式といわれている。
また、他地方のワサビ田との構造上の違いにより、景観と空間上の独自性が見られた。
1-3. ワサビ田構成タイプ 詳細
筏場・地蔵堂のワサビ田には3つの構成タイプが見られた。地形にあわせて、棚田はこの3タイプのいずれか、或いは組み合わせで構成されていた。
・タイプ1:基本タイプ。斜面の幅が狭い谷間地に適用。
・タイプ2:複数並行タイプ。斜面の幅が広い、比較的緩やかな山間地に適用。
・タイプ3:複数階層タイプ。斜面の幅が広い、緩やかまたは急な山腹地、或いは複雑な傾斜面のある地形に適用。
1-4. 四季によるワサビ田の景観の変化 詳細
ワサビ田は一年中栽培可能であり、周囲の森林の色合いが変化する中、ワサビ田だけが青々とした独特の景観が得られる。
2.ワサビ田の景観を形成した背景
詳細 (1) 1715~1735年 ワサビ栽培開始
(2) 1807年頃から ワサビ栽培本格化
(3) 1892年 畳石式の開発
(4) 1958年 狩野川台風による被害と修復
(5) 近年 寒冷紗の利用開始
(6) 現在 産業が第一と扱う中の景観維持