ツバキで覆われた島〜東京都利島村〜

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写真の説明
1.森林景観の特徴
1-1. 島全体を覆うツバキ人工林の段々畑 詳細
利島は島の大部分がツバキの人工林で覆われている。
段々畑状に造成・植林・管理されたツバキ人工林が単一で島全体に広がる景観というのは世界的にも珍しく特徴的である。
1-2. 山頂付近の自然林と沢沿いのスギ人工林 詳細
山頂付近と南側の斜面の大部分には自然林が残っている。
またその他の山腹にも沢を中心にスギが植林されており、これらはツバキ人工林が占める景観に変化を与えている。
1-3. 集落を包むタブノキの防風林 詳細
利島には北面に一つだけ集落が存在するが強風対策としてタブノキやツバキなどが植えられている。
これらは玉石造りの石垣とともに集落を包みこみ独特な景観を構成している。
2.森林景観を支える背景
2-1. ツバキ油生産を中心とした産業 詳細
利島は江戸時代から椿油の生産が盛んで、明治から昭和にかけて技術革新とともにツバキの拡大造林が進行し島全体を覆った。
また利島では実の採集法も独特で、特徴的な林内景観を生み出す要因ともなっている。
2-2. 島民による分散型の土地所有 詳細
利島では小規模の土地を島中に分散して所有している。
このため所有者の管理の違い(または放置された林)がパッチ状に現れてくる。
2-3. 禁足地とされた神社の森 詳細
古くから山頂付近と南側の斜面は禁足地とされて島民の生活とは隔離されてきた。
これらの地域は今に至るまで広範囲に自然植生を残している。
3.基礎情報
3-1. 地形、気候、森林面積、植生 詳細
4.問題提起
4-1. 失われつつあるツバキの景観 詳細
近年、椿油産業の衰退などもありツバキ林が放置され、雑木が目立ちはじめている傾向がみられる。
樹齢からみても更新が迫られている時期でもあり、解決に向けて早急な動きが望まれる。