巨大な格子状防風林~北海道中標津町~

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写真の説明

1.森林景観の特徴

1-1. 宇宙から確認できる格子状模様 詳細

格子状防風林は、一辺の長さが約3000m、幅180m、総延長は643kmという壮大なスケールをほこっている。

スペースシャトル・エンデバーに搭乗した毛利衛氏のカメラにくっきりと映し出された逸話を持つ。

1-2. 展望台や飛行機からの眺め 詳細

展望台や飛行機からの景観は、格子状が確認できることに加えて、大地の奥行きと草地と防風林のコントラストの違いが特徴的である。

1-3. 道路上からの眺め 詳細

直線形の道路上からは「一面の草地に囲まれた景観」と「道路両脇近くにせまる防風林の景観」が眺められ、自動車を走らせることで両者が繰り返えされるシークエンス景観が特徴的である。

また、防風林の外景観として、ギザギザしたスカイラインも特徴的である。

2.森林景観を支える背景

2-1. 明治期の開拓計画 詳細

明治時代、根釧台地ではアメリカを手本とした計画的に農業地を成立させる開拓計画が立てられた。

森林で覆われた台地は大胆にも地図上で直線を描かれ、規則性を持った防風林が徐々に切り開かれていった。

2-2. 防風林の利用・管理 詳細

天然林(広葉樹)を計画的に刈り残すことで造成された防風林は、木材生産や荒廃からの回復のためにカラマツ(針葉樹)の植林が行われた。

戦後復興期以降、他地域の防風林は伐採が相次いだが、中標津においては農業・生活に不可欠な存在であったために往時の姿が保たれた。

2-3. 気候に適した農業への転換 詳細

開拓は作物栽培が意図されたが、低温・濃霧の被害が相次ぎ、乳牛育成と牧草栽培を主体とする酪農へと転換された。

中標津町の耕地は他地域と比較して草地面積率が顕著に高い。

3.基礎情報

地形、気候、植生、土地利用、視点場としての名所など 詳細

4.問題提起

4-1. 砂利採集の問題 詳細

4-2. 鉄塔建設の問題 詳細

4-3. 農地の転用問題 詳細

4-4. 防風林の更新の問題 詳細

4-5. 防風林への理解 詳細

2007年 秦 裕之、横関 隆登、Xena Iannes Lapido、Roni Wijaya

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published on 2008-3-26
©2008 Laboratory of Forest Landscape Planning and Design
東京大学大学院 農学生命科学研究科 森林科学専攻 森林風致計画学研究室