景観資源としてのハゼ栽培~福岡県久留米市~

福岡県久留米市柳坂曽根のハゼ並木

1.景観の特徴:

高曽根川の堤防沿い南北約1.1kmにわたり、約200本のハゼが連なり、線状の景観を呈している【写真1】。

写真1

2.景観を支える背景:
享保年間
(1730年頃)
有馬藩の政策として筑後川の支流の堤防沿いに植える
現在のハゼ並木周辺は一面ハゼ林であった
昭和20年頃
(1945年頃)
米増産のためにハゼの伐採がすすむ
1964年福岡県天然記念物に指定
1993年林野庁「特用林産物伝統的工芸品等原材料確保事業」に関連して福岡県がハゼの実態調査実施
1994年新・街路樹百選に選出される
現在 並木の枯損木の代替に幼木を小学生と教育委員会で植樹するなどの活動を行っている。
3.基礎情報
 
観光名所・・・近年、紅葉スポットとしてマスコミにとりあげられることも多くなり、シーズン中開催される『ハゼ祭り』には年間250万人ほどの観光客が訪れる。
    
青木繁(前出)地元出身の洋画家     

「わが国は 筑後の国や 白日別 母います国 櫨多き国」という櫨を詠んだ句が地元住民のハゼへの関心を高める一因ともなった

福岡県天然記念物指定(1964)
新・街路樹百選選出(1994)
櫨風景網の提唱 大石道義氏による郷土景観づくりの一環として、高速道路や河川堤防等を利用した「ハゼ風景網プラン」

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参考資料:福岡県・福岡県特用林産振興会『ハゼと木蝋』(1992)など

2005年 工藤豊・松前文環・原泰之・今浦友恵

現地調査日程 2005年5月31日〜6月1日

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published on 2008-3-26
©2008 Laboratory of Forest Landscape Planning and Design
東京大学大学院 農学生命科学研究科 森林科学専攻 森林風致計画学研究室