関連講義 農学部3年・4年
lectures - Faculty of Agriculture

森林風景計画学

担当教員:山本清龍

講義の趣旨

景観は人間をとりまく環境のながめ(中村良夫)であり,景観あるいは風景を計画・設計するための方法論について講義する。より具体的には,風景計画の対象となる空間としては都市から里山,原生自然まで幅広い事例を取り上げつつ,庭園,公園,緑地,森林等の風景計画にみられる管理技術,保全計画等を概説する。とくに,風景計画については,風景計画に必要な分析,予測,評価の各段階について紹介した上で,人が景観を認識するという景観把握モデルに関連して視知覚特性,風景論,文化的景観論について概説する。また,保全計画については,国立公園等の保護地域を例にとり,景観を含めた資源管理,事故リスク管理について概説し,海外事例も紹介する。

講義の内容

  1. ガイダンス
  2. 視知覚特性,景観と風景
  3. 景観把握モデル
  4. 風景計画の分析,予測,評価
  5. ゾーニングと風景計画
  6. 森林,緑地,自然の機能
  7. 庭園と公園,保護地域
  8. 自然環境を保護するための法令
  9. 生物多様性,里山,文化的景観
  10. 自然資源の保全の方法論
  11. 北米の国立公園とVERP
  12. ROS, LAC, Carrying Capacity
  13. 公園利用の期待と満足,リスク管理
  14. 環境教育とガバナンス論
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自然保護論

担当教員:神田修二(いであ株式会社 国土環境研究所)(非常勤講師)

講義の趣旨

自然への人為的改変がどこまで許容されるかについては,あらかじめ数値で割り切れるような明確な基準があるわけではない。提起された人為活動と,自然の特性とを考慮しながら,その都度判断を下さざるを得ない。したがって自然保護を考える場合,その立脚点をどこに置くかが重要になってくる。本講義の目的は,これまで実際に自然保護行政に携わってきた種々の経験を紹介することを通じて,様々な観点からの自然保護について考えるきっかけを提供することである。まず自然保護の概念とその変遷,日本の自然の現状とその把握手法について述べ,次に各種自然保護制度について,分野別に解説する。また国内で起こった大きな自然保護問題について事例の紹介や,地球的規模の視点に立った自然保護問題についての解説も行う。

講義の内容

  1. 環境問題の変遷と自然保護制度の経緯
  2. 日本の自然の現状とその把握手法
  3. 国立公園思想の展開と自然公園体系
  4. 自然公園の保護と利用
  5. 野生生物の保護管理
  6. 自然環境と国際条約
  7. 生物多様性条約と生物多様性戦略
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景観解析

担当教員:高山範理(国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所)(非常勤講師)

講義の趣旨

「景観」には,直接触れたり測ったりできる「モノ」としての側面と,人の感じ方である「ココロ」の側面がある。さらにその両方ともに,時間の推移によって変化していくこともある。この講義では,そうした景観という複雑な現象について,より客観的にとらえるための様々な解析方法について学ぶとともに,解析結果を通して具体的などのような計画やデザインを提示できるのかについても紹介する。

講義の内容

  1. ガイダンス
  2. 景観の基礎
    景観とは
    人間の視知覚と行動の基礎
    主要な関連概念
  3. 景観評価とその応用
    評価の目的
    景観評価手法の体系
    物理的な測定技法
    心理的な測定技法
    景観評価にもとづく計画への応用
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レクリエーション計画論

担当教員:山本清龍

講義の趣旨

レクリエーションは,主として自由時間に行われる自発的,創造的な人間活動をいい,楽しみとして行われるもので,実益性をもたない活動と位置づけられることもある。講義では,レクリエーション活動の内容と形態,歴史的経緯,対象空間,地域資源への影響,課題ついて概観し,管理と計画の方法論について論じ考察する。

講義の内容

  1. ガイダンス,レクリエーション,保健休養
  2. 名所,三景,風景論
  3. 観光とリゾート
  4. 観光地のイメージと行動
  5. 観光地のデザインと計画
  6. エコミュージアムとエコツーリズム
  7. 環境教育,インバウンド観光
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森林風景計画実習

担当教員:山本清龍・中村和彦

実習の趣旨

本実習は,①環境に関する諸情報(データ)を収集・整理し,風景やレクリエーションの観点から土地の資源性を検討・把握する考え方および技法を学ぶ,②風景計画の検討・立案を体験し,その基本的な考え方や進め方を理解する,③自らの考えを人に伝えるためのプレゼンテーションの検討を体験する,以上の3点を目的とする。情報の整理・加工に関しては,コンピューターを活用する。また自然風景地における現地実習において,実際の計画や管理を見聞すること,そして現地を対象地として,課題の整理,計画テーマの設定,保護・保全とレクリエーション利用の観点からの土地利用の検討,両者の調整・統合による最終プランの決定,そして計画のプレゼンテーションと,風景計画の一連の流れを実習し,計画の考え方や作業を実感する。

実習の内容

  1. 風景計画の考え方
  2. 基本条件の把握と整理
    環境情報のデータ化
    環境情報データの出力
    可視化処理
    現地調査
  3. 風景計画
    計画のプロセス
    保護・保全計画
    利用計画
    保護・保全計画と利用計画の統合
  4. プレゼンテーション
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森林科学基礎実習IV(第5~10回)

担当教員:山本清龍・中村和彦

演習の趣旨

森林地域の地理学的特性を自然科学・人文科学両方の手法によって理解するための手法として、林政学的研究手法、地域特性の把握と地域計画手法、土砂流出、山地流域測量、林業作業現場における調査を通して、森林科学の地誌学・地理学的側面の基礎を理解する。

実習の内容

  1. 林政学基礎1:林政学的研究手法の理解(概論・ウェブ上の資源利用・文献読解と報告の方法
  2. 林政学基礎2:『森林・林業白書』の読解・報告(林野行政の推移や最新のトピックスを理解)
  3. 林政学基礎3:地域に関する入門的著作の読解・報告
  4. 林政学基礎4:地域に関する専門的著作の読解・報告・論点の開示
  5. 森林風景計画基礎1:地域レベルの空間特性把握の基礎(概論とGISの使い方)
  6. 森林風景計画基礎2:地形特性の把握(標高区分による変化とパース分析)
  7. 森林風景計画基礎3:視知覚特性の把握(可視・不可視と被視頻度)
  8. 森林風景計画基礎4:土地利用特性の把握(植生、土地利用、交通等の情報分析)
  9. 森林風景計画基礎5:計画課題と作業フローの基礎(ゾーニングとネットワーク)
  10. 森林風景計画基礎6:地域特性と計画対応(オーバーレイによる結論づけ)
  11. 砂防工学基礎1:フィールド(演習林)での土砂流出量観測
  12. 砂防工学基礎2:フィールド(演習林)での山地流域測量1(測量実行)
  13. 砂防工学基礎3:フィールド(演習林)での山地流域測量2(地図作成)
  14. 森林利用学基礎7:フィールドでの伐採現場調査1(林業機械)
  15. 森林利用学基礎8:フィールドでの伐採現場調査1(作業の実際)
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